| 受動喫煙とは |
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喫煙者本人がタバコを吸うことを「能動喫煙」というのに対し、タバコを吸わない人が自分の意思に反し、室内に充満したタバコの煙にさらされ、知らないうちにタバコを吸ったのと同じ状態になることを「受動喫煙」といいます。
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| タバコの煙には二種類あり、喫煙により直接体内に吸い込まれる主流煙と、火のついた先から直に立ち上る副流煙とがあります。 |
| 主流煙 : フィルターを通して吸い込まれる煙 |
| 副流煙 : タバコの先から直に立ちのぼり広がる煙 |
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| 第2回の講座でタバコの煙には様々な有害物質が含まれていることについてご紹介をしました。ニコチンやタールなどの有害物質は主流煙より副流煙の方に多く含まれています。下の図1は1本のタバコを吸った時の有害性が、主流煙に対し副流煙は何倍高いかを比較したものです。 |
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(厚生労働省ほか)
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全てに於いて副流煙の方が主流煙を上回っています。好んでたばこを吸っている本人より、タバコを吸わない受動喫煙者の方がフィルターを通さない分だけ有害物質を多く含んだ煙を吸っている事になります。非喫煙者は、何気ない日常なだけに無防備となっていますが、実は受動喫煙している環境は最も危険な状況といえます。
常習喫煙者より非喫煙者の方が、副流煙による身体反応が強く感じられることから、たばこ特有の臭いもあいまって、他人のタバコの煙に対する不快感、迷惑感はさらに高まるといえます。 |
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| 受動喫煙によってすぐ現れる健康への影響としては、眼やのどの痛み、流涙、くしゃみ、咳などの症状があります。これらの症状は副流煙に含まれる各種成分の濃度が高く、アルカリ性のためニコチンやアンモニアなどが強く作用することによります。その他、喫煙者で観測されるものと同様の生理的影響として血圧や心拍の上昇などの心臓・血管系の影響や、咳や痰・気管支炎などの呼吸器の病気が見られることもあります。 |
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| @夫の喫煙量別に見た非喫煙者の妻の肺がん発生リスク |
| 受動喫煙といえども喫煙者と同等の健康障害を引き起こすリスクを負っています。比較的大きな健康障害のひとつとして肺がんが挙げられますが、この発生率も同室者の喫煙量により左右されると言われています。下の図2は、非喫煙者の奥さんが喫煙者の夫と一緒に暮らした場合と非喫煙者の夫と暮らした場合とを比べ、肺癌を発症するリスクが何倍高くなるかを示したものです。 |
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(厚生労働省ほか)
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| A乳幼児への影響 |
乳幼児の周りでタバコを吸っている人がいると、乳児の尿からニコチンが検出されることがわかりました。生後18日前後で60%、生後3週から1歳までの乳児では53〜77%に尿からニコチンが出てきているという報告です。
また、乳幼児突然死症候群(SIDS)という疾患があります。これは乳幼児に何のまえぶれも、既往歴もないまま突然の死をもたらす恐ろしい病気です。最近の厚生労働省の研究により、妊娠してからも両親が喫煙し続けると、乳幼児がこの病気にかかりやすくなることが明らかになりました。
そして、親がタバコを吸っていると、子供に咳やぜい鳴などの症状が出やすくなったり、感冒、肺炎、気管支炎、中耳炎などの感染症にかかりやすくなります。この乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率も両親の喫煙習慣によっても変わってきます。(図3参照) |
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(厚生労働省ほか)
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どんなにマナーを守って分煙していても、室内にタバコの煙が立ち込めていれば受動喫煙による健康障害は免れません。
自分で回避できる立場であれば予防できるものも、全ての人ができるとは限りません。職場の中で上司が吸っている場合や、家の中で両親が吸っている場合など、自分ではどうしようもない環境に置かれている人のことも考えましょう。
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| 分煙や禁煙を強いられて肩身が狭くなったとはいえ、「ちょっと息抜き」のつもりで吸うあなたのタバコの煙が、周りの人や大切な家族の健康を損なう原因となっていることは明らかです。喫煙者のみなさんは、タバコの煙をまわりに遠慮しながら、それでも吸い続けたいものなのか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
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